2008年 11月 20日 ( 1 )

命題論理の公理系の構造

『現代論理学』(安井邦夫・著、世界思想社)という本に、LPと名付けられた命題論理の公理系が紹介されている。この公理系は、3つの公理と1つの推論規則から構成されている。とてもシンプルなものである。論理記号としては「否定」と仮言命題を示す「ならば」に当たる2つだけが使われている。これは、「かつ」と「または」を表す論理記号は、この二つによって表現できるので、その構成を出来る限りシンプルにするという目的の下に、この2つに限って使われている。「否定」を「~」で、「ならば」を「→」で表現して、3つの公理を表現すれば次のようなものになる。

公理
1 A→(B→A)
2 (A→(B→C))→((A→B)→(A→C))
3 (~B→~A)→(A→B)

これらの公理の意味を解釈すれば次のようになる。

1 Aという仮定の下に、Bという仮定を立てれば、そのときにAが成立することが前提とされているので、Bの前提を立てたときもAが成立することが帰結される。つまり、あることが常に成立するということが確かめられているときは、そのことはどんな前提をおこうともやはり成り立つということが言える。

2 Aという仮定の下に「BならばC」という命題が成立するということを前提とする。つまり、Aが成立するときに、Bの成立を確認出来れば、Cという出来事の成立を実際に確かめることなく、論理的にCの成立をいうことが出来るというのが前提になる。この前提があるときに、「AならばB」ということが確認出来ると、Aの成立が前提されているので、ここからBが成立することも帰結される。そうすると、前提ではBが成立すれば必ずCも成立することになっているので、このときAの仮定の下でもCが成立する。つまり「AならばB」という仮言命題も成立する。これを主張するのが2の公理となっている。

3 これは対偶の法則を表している。「Bでない、ならば、Aでない」が成立しているとき、Aの成立を仮定する。そのとき「Bでない」になってしまうと、そこから「Aでない」が帰結してしまうので矛盾となる。そこで、この前提の下では「Bでない」ではない、ということになる。すなわちBが成立するので、「AならばB」という仮言命題の成立が主張できる。

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by ksyuumei | 2008-11-20 10:09 | 論理