2008年 08月 18日 ( 1 )

理解の道具としての形式論理 3

宮台真司氏の「連載第二三回:政治システムとは何か(下)」に書かれていることで、今回は「宮台理論の特徴は、権力が服従者の了解(選好と予期)に即して定義されることです。了解の正しさは問われません」ということの意味を考えてみよう。

宮台氏の「権力の予期理論」では、「選好」と「予期」とはいくつかの選択肢で与えられる。最も単純なものでは、肯定と否定との選択肢が与えられ、それのいずれかを選ぶかということで「権力」の体験が語られていた。最も望ましいと思える選択肢が選べず、現実の条件ではそれが最も不利益にならないというものが選ばれる。選好の最適なもの(理想状態)と、現実に圧力を受けて予期から選択される次善的なものとがずれる。このずれに「権力」の体験を見ようというのが宮台氏の理論だ。

強盗に襲われたときに、ピストルで撃つと脅され、金を出せといわれる体験をしたとする。このとき、撃たれずに金も出さないということが理想の選択だが、これは現実ではあり得ないだろうと予期する。現実に最もありそうなものは、金を出さなければ撃たれるというものだ。その状態は大きな不利益になるので、せめてそれを避けるためにでも金を出すという選択を取らざるを得ない。こう判断するのが「権力」の体験だと考える。自分の利益になる方を選びたいという意志に反した行動を取らざるを得ないという圧力が「権力」として感じられる。

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by ksyuumei | 2008-08-18 09:59 | 宮台真司