2008年 08月 07日 ( 1 )

形式論理における矛盾と弁証法における矛盾

形式論理で矛盾と呼ばれるものは、ある命題の肯定と否定が同時に成立するものを指す。これは形式論理では絶対に認められないものとなる。なぜなら、形式論理というのは命題の内容を問わずその形式のみに注目する視点を持つからだ。ある命題の肯定と否定が同時に成立するというのが、命題の内容に関係なく形式として成立するならば、それはすべての命題についても同等に成立するものとなってしまう。

否定というのは、形式論理においてはその肯定を判断したことが間違いだったことを示す。つまり、否定が成り立つならばその肯定は真ではない、偽であるということになる。だが、肯定も否定もいつでも成り立つというなら、その命題に関しては真偽が決定できない。それはいつでも真だと考えても良くなるし、いつでも偽だと考えても良くなる。真偽を考えることに意味がなくなる。

形式論理というのは、真なる命題のネットワークを構築することにより、真であるということの性質を持つ命題を導くことで合理的思考を行うものだ。それが真なる命題のネットワークが無くなり、あらゆる命題が真であってもいいし、真である命題が一つもないと考えても良くなるなら、何が合理的思考かということも決定できなくなる。論理そのものが崩壊してしまう。だから、矛盾という命題は、形式論理においては絶対に成立しないということが大前提になる。

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by ksyuumei | 2008-08-07 09:47 | 論理