2008年 07月 25日 ( 1 )

社会システムの下位システムへの「分化」という概念

下位システムとは、上位システムに対する概念として提出されているものだ。システムの場合は、あるシステムが部分的にもっと小さなシステムを含んでいるという状態が、全体と部分という対立ではなく、上位と下位という対立として把握されている。これは、上位システムが「環境」と呼ばれるものであり、下位システムの選択前提を与えているものという観点があることによって、上位と下位という見方になる。単に大きい・小さいという全体と部分という視点ではなく、あくまでも選択前提というシステムの根幹に関わる部分を見るために、上位と下位という区別をしているのだろう。

社会というのは、人間の協働が見られるシステムでは最上位に当たるものになるだろう。現代社会は複雑な構造を持っていて、そのまま眺めていたのでは、どうして秩序が保たれているかがまったく分からない。そこにある必然性を洞察することが出来ない。そこでこの複雑な社会システムを、部分をなす下位システムに分けて把握することが考えられる。複雑すぎる現代社会のシステムは、もっと小さな単位に当たる社会の一部の機能に秩序を与えるシステムに分解される。

これは、社会システムを把握するために、複雑すぎる全体を分解するという、一つの思考の技術を使っていることになる。しかし、実際は現実はその逆に、部分をなす特殊機能を果たすシステムが発達したからこそ、現代社会は全体の複雑化を増す方向へと進化してきたのではないかとも考えられる。そのようなシステムの捉え方が「分化」という概念に当たるような気がする。この「分化」という概念を持つことにより、社会システムの進化が見えてくるような気がする。

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by ksyuumei | 2008-07-25 20:42 | 宮台真司