2008年 07月 22日 ( 1 )

学術用語としての「役割」の概念

宮台真司氏が「連載第一四回:役割とは何か?」で語る「役割」という概念を考えていきたいと思う。この概念は、果たしてどのような目的の下で提出されているのだろうか。

宮台氏は、「「役割」とは、ヒトに与えられるカテゴリー」だと語る。あらかじめ「役割」が分かっている他者は、その「役割」が与えるイメージによって何らかの「予期」を持つことが出来る。このような「役割」を持った人間ならば、こういう行動をとるはずだという「予期」だ。近代社会が、「予期」のコミュニケーション(選択接続の束)を基礎にしてそのシステムの秩序を保っているとすれば、その「予期」に影響を与える「役割」という概念は、「予期」がどのようになってそれが現実の行動にどう影響を与えるかを教え、システムの秩序の方向を把握することに役立つものとなるだろう。

「役割」の説明の中に、「遂行性」という概念も紹介されている。これは「社会的事実としての同一性」として定義されている。これは「行為の意味的同一性」にも相当するという。ここで重要になるのは「社会的」ということなのではないかと僕は感じている。行為の「意味」とは、その選択接続の束で与えられ、すべての組み合わせの選択が選ばれるのではなく、特定の選択肢だけが接続されるというつながり方にその「意味」を見ている。その選択接続の束は、個人がそのように認識しているだけでなく、社会全体でみんながそう思っているという受け取り方が必要なのではないかと思う。

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by ksyuumei | 2008-07-22 10:22 | 宮台真司