2008年 07月 08日 ( 2 )

システムの「秩序」という概念

宮台真司氏は「連載第四回:秩序とは何か?」では「秩序」という概念を説明している。この概念も、普通に辞書的に受け止めている「秩序」という言葉の意味と、宮台氏がここで語っている意味とでは大きな違いがあるのを感じる。

「秩序」という言葉が普通に使われる場面では、そこに望ましいと評価される規則性があるのを感じる。つまり「秩序」には価値評価が伴っているという感じがする。「秩序」がないと判断される場合は、それは価値が下がったように評価され、何とか「秩序」の回復を図るというふうに考えたくなる。

「秩序」は安定をもたらすと考えられる。「秩序」のある経済は我々の日常生活を安定させ、安心して物を買ったり売ったり出来る。「秩序」のない経済は、たとえばインフレがひどくなった状態を想像すれば、物を売るにも買うにも、どこでそれをすればいいのかという判断が分からなくなり、人々の生活は困窮する。ひどく困った状態が「秩序」の乱れから帰結される。

この「秩序」にまとわりついたイメージは、実は特定の文脈にくっついたイメージかもしれない。「秩序」そのものには価値的判断は本質的なものではなく、もっと一般性を持った特長が抽象されて、「秩序」の本質を押さえたような概念が「一般理論」の対象となるべきだと考えることも出来る。このような発想で提出された「秩序」の概念が、宮台氏がここで語っているものではないかと思われる。

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by ksyuumei | 2008-07-08 10:21 | 宮台真司

「システム」概念の難しさ

宮台真司氏は「連載第三回:システムとは何か?」の中で「システム」というものについて語っている。「システム」については、これまでも何度か考えてきたが、その概念をつかむことの難しさを今でも感じている。

「システム」という言葉を辞書で引くと「制度。組織。体系。系統」などという言葉が並んでいる。そのイメージは、それを構成する要素相互の間に関係がつけられていて、全体が一つのまとまったものとして機能する「全体性」を持ったものが「システム」と呼ばれているもののようだ。

「身分制度」などという制度を考えてみると、それは社会における一つのルールのようなものとして現前する。生まれつき決まっている「身分」というものがあって、社会の中の誰もがその「身分」にしたがって生きていく。「身分制度」という「制度」としてのシステムは、誰もが「身分」に従って生きるという社会の秩序を維持する機能をもっている。個々の「身分」の人々の振舞いを規定する「身分制度」は、全体として社会のある秩序を維持するものとして働く。このようなイメージがシステムというようなものになるだろうか。

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by ksyuumei | 2008-07-08 00:44 | 宮台真司