2008年 05月 24日 ( 1 )

現代中国の実相

マル激の第218回 [2005年6月4日]では「今中国に何が起きているのか」というテーマでゲストに興梠一郎氏(神田外語大学助教授)を招いて議論している。ここで語られている現代中国の姿というのは、ある意味では驚くべきことばかりで、そんなふうになっているとは知らなかったというものが多い。これは、『中国 隣の大国とのつきあいかた』(春秋社)という本にも収録されていて、箇条書きにしてみると、次のような話題が語られている。


1 鄧小平体制や江沢民体制は、ずっと金持ちよりの路線でやってきたために、かなり階層分化が進んでしまった。貧乏人(農民と下層労働者)はいつまでも貧乏なままだ。

2 中国には流動性がない。1958年に出来た戸籍に関する法律によって固定化されている。農民は都市の市民になれない。教育も社会保障も戸籍のあるところでしか受けられないので、都市にとどまって高い賃金のもとに働くことは出来ない。農民はいつまでも低所得のままになる。

3 現在の体制は官僚や企業家にとって都合が良く、彼らは大きな利権を持っている。親の官僚が権力を使って子どもに儲かる商売を回す。独裁国家の独裁権力が金儲けも独占しているので、彼らだけが儲かる構造になっている。

4 労働者はすべて国家のコントロールのもとにあるので、賃金は安く押さえ、労働争議も鎮圧してくれる。そのため外資にとっては、効率のいい労働市場となっている。

5 警察の腐敗。居住地以外から来た人は臨時居住証を持っていなければならないが、それを持っていないことを摘発されると罰金を払う。これが警察の金づるになっていて、狙われることが多い。そのときのトラブルで殴られて死んだ人間もいるが、それは闇に葬られてしまう。

6 国有企業はその生産と就業人口はともに30%にしか過ぎないのに、それへの投資や銀行融資はそれぞれ60%、70%に上っている。まったく効率の悪い金の使い方をしている。やがて破綻することは目に見えているが、国家の財政収入のほとんどが国営企業からのものなのでそれを見捨てることが出来ない。

7 出稼ぎ労働者への賃金未払いがある。これは直接労働者を抱える末端の企業よりも、最上位にある企業の責任が大きい。そこが金を払っていないことが多い。そしてその企業はたいていが政府系だという。


これらの事実を見ると、その権力の腐敗ぶりのひどさにあきれてしまう。そして、そのような社会体制のもとで、底辺の労働者・農民が、いかに惨めな生活を強いられているかという理不尽も感じる。まさに「けしからん」ことのオンパレードといった感じだ。

More
[PR]
by ksyuumei | 2008-05-24 22:46 | 雑文