2008年 01月 22日 ( 1 )

空気と文脈

宮台真司氏が「昨年の映画を総括しました〔一部すでにアップした文章と重なりますが…)」という文章で


「携帯小説の編集者によれば、情景描写や関係性描写を省かないと、若い読者が「自分が拒絶された」と感じるらしいんです。情緒的な機微が描かれていない作品、単なるプロットやあらすじの如き作品が望まれる。「文脈に依存するもの」を語らず、「脊髄反射的なもの」だけを描く作品です。」


と語っている。文脈というのは、前後の文章の関係や、それが表現する現実とのかかわりから、見ただけの視覚的世界を越えた意味を読み取ることを指す。単に見たものから直接引き出される感情に寄りかかるのではなく、それが意味するもの・隠された伝えたいものを読み取ることが文脈を読むということになる。

したがって文脈というのは、そこに書かれた文章に関するある種の予備知識を必要とし、しかも論理的につながりのある事実を想像できなければ読めないものとなる。すぐに分かるものではなく、何度も読み返してやっとほのかに見えてくるようなものになる。このようなものに対して、若い読者は「自分が拒絶された」と感じるのは、自分の知らないことを元に話されていることに対して排除されていると感じるのだろうと思う。

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by ksyuumei | 2008-01-22 10:13 | 雑文