2007年 10月 17日 ( 1 )

弁証法における矛盾

shさんという方から「『論理哲学論考』が構想したもの6 論理語は「名」ではない」のコメント欄に、弁証法における矛盾という概念に対する違和感を語るコメントをもらった。僕も形式論理からスタートした人間だけに、若いころは弁証法が語る矛盾に大きな違和感を感じていた。

形式論理における矛盾は現実に存在することはあり得ない。それは、存在を否定する形でその定義がされているからだ。ある命題の肯定と否定というのは、ウィトゲンシュタイン的に言えばその真理領域が反転している。同時に現れるような真理領域になっていない。もし、これが同時に現れるようなら、形式論理ではそれは矛盾とは呼ばない。

弁証法では、この矛盾が現実に存在することを主張する。形式論理に反したこの主張は、合理的思考を放棄したものとして若いころの僕には感じられたものだった。つまり、弁証法というのは、理屈っぽい言い方で相手を丸め込もうとするような詭弁に過ぎないというのが最初の印象だった。それが変わったのが、三浦つとむさんの弁証法の解説を読んでからだった。

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by ksyuumei | 2007-10-17 10:20 | 論理