2007年 09月 27日 ( 1 )

『論理哲学論考』における「法則」という言葉

野矢茂樹さんが翻訳したウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』(岩波文庫)には、用語の索引がついている。その中から「法則」という言葉に関する命題を拾ってみて、ウィトゲンシュタインが「法則」という言葉をどのように使っているかを考えてみようと思う。「法則」というような、一般性の高い言葉は、日常的にも使われるし、比喩的にも使われたりして、その意味は非常に多様なものがある。文脈から決まってくる意味を読み取ることが難しいとも言えるものだ。

ウィトゲンシュタインは哲学者であり、哲学者というのは非常に厳密な論理を展開する。しかもウィトゲンシュタインというのは、余計な説明を一切省き、その本質だけを凝縮して語るような文体を持っている。「法則」という言葉を用いるときも、僕のように無意識に使ってしまうということはないだろうと思う。吟味に吟味を重ねてその言葉を選んだに違いない。

ただこの『論理哲学論考』は翻訳なので、日本語的なニュアンスと違うものがあるということが考えられるかもしれない。しかし、そもそも「法則」という言葉が、今のような使われ方をしているのは、明治以後に近代科学が輸入されてからのことではないかとも思われるので、もともとが翻訳概念だと言ってもいいかもしれない。ともかく、ウィトゲンシュタインが命題の中で語る「法則」という言葉が、その命題の中ではどのような意味で使われているのかを考えてみようと思う。

More
[PR]
by ksyuumei | 2007-09-27 10:07 | 雑文