2007年 09月 20日 ( 1 )

不毛な二項対立

仲正昌樹さんの文章には「不毛な二項対立」ということがよく出てくる。これは、お互いに相容れない主張(矛盾した主張)を展開していて、相互の間ではまったく話し合いにならないような状態を指していう。これは、どちらかが間違えていて、正しい結論に落ち着くようなら、まだ「不毛」だとは言われないだろう。間違えていた方は悔しい思いをするかもしれないが、間違いが正されることは結果的には多くの人の利益になる。

しかし、どちらが正しいかが簡単に言えない場合、それはより正しい方・あるいは双方の正しさを取り入れた妥協点を見出すことが建設的な方向になるだろう。このような方向へ行くには、建設的な対話がどうしても必要なのだが、双方が、相手の主張を少しでも認めることは出来ないというかたくなな態度を取っていると、この二項対立は、どちらかが完全に否定されるまで続かなくてはならなくなる。そして、かなり難しい問題ではその決着がつくかどうかさえ分からなくなるので、延々と対立が続くことになり、その状態が「不毛」だと言われるようになる。

この不毛さを克服するのはかなり難しい。なぜなら、自分の主張を下げない人は、自分の主張のほうが正しいのはほとんど自明なことのように感じているので、相手が間違っているということが前提になってしまう。こうなると、相手の主張を冷静に分析して、相手の立場に立ってものを考えるということは出来ない。相手がバカに見えてしまう人間には、不毛な二項対立を克服することが出来ない。

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by ksyuumei | 2007-09-20 10:20 | 論理