2007年 09月 16日 ( 1 )

ケプラーが設定した実体

武谷三男さんは、三段階論を説明するとき、「現象論的段階」としては天体の観測の精密な記録を行っティコ・ブラーエを例にあげて、ティコの段階を「現象論的段階」として提出している。そして3つの法則を発見したケプラーを「実体論的段階」として例にあげている。

単純に考えれば、現象の観測をしてそれを記述したからティコは「現象論的段階」であり、実体である太陽系の天体の属性として、その法則性を提出したのでケプラーが「実体論的段階」と呼ばれているように見える。しかし、そのような単純な見方で、法則性の認識の発展というようなことが言えるのだろうか。

天体の運動に関しては、地動説と天動説の争いもあり、目で見えるような現象と、それの本来の姿との間にずれがある。すでに太陽系のさまざまな法則性を知っている我々が、後づけで法則性の発見の過程を考えるのと、まだ法則性が確立されていないときに、手探りでそれを見つけていく実際の過程とではどこかが違うような感じがする。実際には、単純できれいな発展の仕方はしていないのではないかと思う。それまで信じられていたものの考え方を捨てて、新たな方向で理論を組み立てなおすというのは、そう簡単なものに見えない。

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by ksyuumei | 2007-09-16 11:44 | 論理