2007年 09月 07日 ( 1 )

モデル理論としての経済学の法則性

小室直樹氏は、モデル理論としての経済学について『資本主義原論』(東洋経済新報社)の第2章で説明している。このモデル理論というのは、現実の経済現象を単純化して、本質的であろうと考えられる部分を抽象(末梢的な部分を捨象)して、現実の対象そのままではない抽象化された実体を対象にして理論を構築するものだ。

本質的なものと末梢的なものを現象を集めた現象論的段階から判断し、抽象的な実体を立ててそれを考察するので、三段階論で言えば実体論的段階に当たるものではないかと思う。ただ、この本質の抽象に関しては、理論展開を容易にするための単純化という要素も入っているので、現実にはよく見られるような部分でも、それをそのまま取り入れて理論化しようとするとあまりにも複雑になる場合は、理論構築のためにあえて捨象するということも出てくる。

これは数学によく似ているようだ。幾何学などでは、その対象としての直線は幅を持たないものとして抽象化されている。これは現実にはあり得ないのだがそのほうが理論構築が容易だということで、そのように実体化されている。この数学が現実に応用される場合は、直線の幅が実際にはあったとしても、それが誤差として捨てることが出来れば何ら問題なく応用できることになる。モデル理論としての経済学も、捨象した部分が例外的なものとして処理されるなら、理論そのものは抽象的で現実にはあり得ないものであっても、現実への応用が十分有効になるだろうと思われる。

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by ksyuumei | 2007-09-07 10:20 | 論理