2007年 09月 05日 ( 1 )

権力は悪か?

僕は以前には左翼だと思われていたので、権力に対しては悪だと決め付けているのではないかと思われていたふしがある。いわゆる左翼にはそういうイメージがあるのだろう。しかし、僕は左翼的なものとのかかわりはあるが、それと深くコミットしたことはない。組合は左翼といえば左翼だが、僕はその活動からはいつも一歩引いて眺めるような人間だった。

左翼的な活動は、社会主義国家がそうであったように、全体主義の匂いを感じるのである種の生理的な嫌悪感があったからだ。その活動を正しいと思っている人間は、他人がどう感じようとその活動を押し付けるのが正しいというような雰囲気を感じていた。状況によっては、その判断が必ずしも正しいと思えないようなことであっても、個人のそのような判断を認めず、組織が決定したことには無条件に従うことを求めてくるのは、体制的な組織よりもずっと強い押し付けがあって、全体主義的な傾向が強いと思ったものだ。これは、正義を実現しているという自信からくるもので、その自信が、論証抜きの形而上学になっているところが、一歩引いて眺めたくなる要因だった。

この左翼にとって「権力は悪だ」という命題はほとんど自明だともいえるものではないかと思う。これは、左翼にとって権力は常に弾圧するものとして登場してくるからだ。左翼を大切にして仲良くしてくれる権力というのは形容矛盾になってしまうだろう。左翼という立場にいれば、権力は常に損害を与える存在であり、損害を与える相手を「悪」と呼ぶなら、権力は常に悪であることは確かだろう。

More
[PR]
by ksyuumei | 2007-09-05 10:13 | 論理