2007年 09月 04日 ( 1 )

言葉の定義と法則性――数学的公理と定理の関係との類似性

萱野稔人さんの『権力の読み方』(青土社)という本は、読み方によっては法則性をたくさん読み取ることが出来る、法則性の宝庫のような本だ。だが、この法則性をよく見てみると、それは法則性を利用してある言葉の定義をしているようにも見える。この法則性を語っていると思える文章を、ある言葉の定義と考えると、その法則性は実は論理法則としてのトートロジー(同語反復)を語っていると解釈することも出来る。

萱野さんは、話の出発点として「権力」の概念について語っている。これは、「権力」というものを論じようとしたとき、その意味(概念)が違っていたら、論理的な帰結が違ってしまうので、それをまずはっきりさせようということだ。萱野さんは、ハンナ・アーレントを引いて「権力を手に入れる」ということを「一定数の人たちから、彼らに代わって決定したり行為したりする機能を与えられるということである」と語っている。

これは、「権力」の概念として、多数を代表する行為が出来る源泉というもので捉えていることになるだろう。これは「権力」の概念を語るという受け取り方をすると、「権力」という言葉の定義をしていると解釈できる。しかし、その定義を支える・定義の正当性を保証するものとしての、ある法則性を語っているとも解釈できる。

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by ksyuumei | 2007-09-04 09:37 | 論理