2007年 07月 19日 ( 1 )

抽象概念の直感的理解

今年度の数学の授業では関数を扱っている。関数というのは、数学の中でもなかなかの難物で、これを単にxとyとの数式だと捉えて計算をするだけだと解釈すると、関数本来の持っている深い意味を理解するのは難しい。計算が出来るようになれば、関数を道具として利用することは出来るが、それは定型的なものにとどまる。関数という概念を利用して、それを現実の対象の中に見つけて、現実の把握を深めて実践的にその知識を利用するという積極的な使い方は出来なくなる。

このような本来の意味での「応用」(数学での「応用」は、応用問題が解けること、すなわち計算が出来ることが「応用」だと思われているが、公式の適用をするだけのものは本来の意味での「応用」ではない。新たな発見をもたらすような考察に利用できることが本来の「応用」だ)をするためには概念的な理解が必要になる。そして、この概念的な理解は、抽象的な定義を記憶するのではなく、その構造を直感的に把握することが必要になる。

それが抽象された概念であるにもかかわらず、その概念を運用するという思考の展開をするには直感的な把握が必要なのである。このあたりのことも、人間の思考というものが持つ現実的な弁証法性ではないかと思われる。言葉の定義だけを記憶した概念は、それを変化させて現実に適応させるというダイナミックな思考の展開が出来ない。言葉の定義は固定的で、その抽象概念が、現実の条件によってどのように多様な側面を見せるかが知られていないからだ。

More
[PR]
by ksyuumei | 2007-07-19 09:56 | 雑文