2007年 06月 09日 ( 1 )

小室直樹氏の日本資本主義の分析

小室直樹氏が『日本資本主義崩壊の論理』(光文社カッパ・ビジネス)で展開している考察は、論理という観点から見てたいへん面白いものである。それは、理論展開の面からは形式論理的な、前提から結論を導くロジックが読み取れ、その出発点になる発想という点には、矛盾した対立する面が考察されているという弁証法的な面が見られるからだ。

主題としては、日本資本主義の「崩壊」を語っているのであるから、日本資本主義の欠点を分析しているのであるが、単に欠点を指摘しているだけではないように見える。日本資本主義の欠点は、さまざまな問題を出現させたことによって、欠点があることは誰の目にも明らかになった。特に小室氏が指摘するような、先進資本主義国ではあり得ないような、資本主義の根幹を否定するような事件も数多く現れている。「金融犯罪スキャンダル」「インサイダー取引」「株式の損失補填」などを小室氏は指摘している。

しかし、これらの欠点があるにもかかわらず日本資本主義は、戦後高い成長率で発展しつづけた。これは、形式論理的に考えれば、「欠点があるにもかかわらずに発展した」という逆説で語られるだろう。欠点があれば発展しないというのが論理的には結論されるだろう。それなのに、なぜ発展したかという問いは、極めて形式論理的だ。

More
[PR]
by ksyuumei | 2007-06-09 14:05 | 論理