2007年 06月 01日 ( 1 )

資本主義的搾取の不当性

萱野稔人さんは『カネと暴力の系譜学』(河出書房新社)の中で、資本に関して「他人を働かせて、その上前をはねる」ということとの関連を語っている。これは、かつてのマルクス主義的な用語で言えば、「資本主義的搾取」と呼ばれるものになるのではないだろうか。

マルクスは、この「資本主義的搾取」が、資本主義に本質的に伴うものであることを証明した。萱野さんがここで語っていることも同じことのように見える。「他人を働かせて、その上前をはねる」という行為を伴わない資本主義などは考えられないという記述が見られる。萱野さんは、


「企業の仕組みを例にとろう。企業とは、まとまったカネ(資金)をもとに事業を起こし、従業員を雇って利潤を上げようとする経済主体のことである。
 この場合、企業は売上のすべてを従業員に給与として与えることはない。ある程度の売上は、事業をさらに展開するための資金として(あるいは出資者への配当として)ストックしておかなくてはならないからである。利潤を上げることが目的である以上、事業が展開するにつれ、資金は最初の額より増えていかなくてはならない。」


と書いている。資本主義的生産は、大量生産によるコストダウンを目指す。その大量生産のためには、設備投資という資本投下をしなければならない。その資本投下の金は、最初は起業家が請け負うが、いったん企業が動き出して資本主義的生産のサイクルに入れば、その生産によって得られる利益の中から資金を供出していかなければならない。

More
[PR]
by ksyuumei | 2007-06-01 09:40 | 方法論