2007年 05月 29日 ( 1 )

イデオロギーを排した思考の方法論と、イデオロギーに支配された思考の誤謬論

イデオロギーとは、「政治・道徳・宗教・哲学・芸術などにおける、歴史的、社会的立場に制約された考え方。観念形態」と辞書的には定義されている。ということは、イデオロギー的なものに影響された思考というのは、その帰結が「歴史的、社会的立場に制約された」ものであると捉えられている。本来ならば、その時代の特殊性に縛られているはずなのに、それを捨象してしまって普遍性があるかのごとくに勘違いするところに、イデオロギー的な誤謬の本質があるような気がする。

これは、人間の思考がパラダイムという枠組みの影響を免れないということから言えば、そのパラダイムでさえも思考の対象に出来るという、時代の制約を超えた視点を持たなければ克服できない誤謬だ。これは、再帰性というものを反省の対象にすることが出来た近代になって初めて気がつかれたものではないだろうか。近代以前の社会では、どれほど優れた人間であろうとも、時代の制約そのものを反省の材料にして自分の思考の結果を検討した人はいなかったのではないか。

マルクス主義というイデオロギーが人々を支配した時代も、そのイデオロギーそのものが前提として正しいものかということは発想することが難しかったのではないかと思う。おそらく、その時代には、マルクス主義を成り立たせていた条件がほぼ自明なものとして受け取られるような時代的制約があったのだろう。

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by ksyuumei | 2007-05-29 10:32 | 方法論