2007年 04月 16日 ( 1 )

民主主義とはどういうものか

小室直樹氏の『悪の民主主義』(青春出版社)によれば、戦後民主主義の批判の要になるのは、それがまったく民主主義と呼べるものではないということにある。戦後民主主義と呼ばれるものの、どの面が民主主義とは呼べないかということを理解することが重要になる。そのためには、民主主義というものに対する正しい概念を持たなければならない。その概念に照らして考えたとき、戦後民主主義がどのようにそれと違うかを理解することが批判の理解にもなる。

小室氏によれば「民主主義とは、実は、過程であって状態ではない」という。このことを認めるなら、論理的・抽象的には、戦後民主主義が民主主義でないことは、この前提から導かれる論理的帰結になる。日本社会にとって、民主主義とは敗戦によってアメリカから与えられた「状態」になってしまったからだ。それ以前の状態は軍国主義であり、敗戦から後は民主主義になったというわけだ。

小室氏は、「民主主義を目指しての日々の努力の中にはじめて民主主義は見出される」という丸山真男氏の言葉を引いているが、戦後の日本社会は、日々の努力によって民主主義を実現したのではなく、形としての「状態」をアメリカに整えてもらって、その形を民主主義として受け取ってしまった。だから、民主主義とは似ても似つかない「過程」が日本社会に存在することにもなった。

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by ksyuumei | 2007-04-16 09:44 | 政治