2007年 03月 12日 ( 1 )

武谷三段階論における「本質」

武谷三男さんの三段階論を辞書で引くと「科学的認識は「現象論・実体論・本質論」の三段階を経ながら発展するとしたもの」という説明があった。ここに書かれている「本質論」の「本質」とはいったいどのようなものを指すのだろうか。それは、「現象」や「実体」とどのように違うのか。この「本質」はやはり関係として捉えられるものなのだろうか。

武谷さんの三段階論は『弁証法の諸問題』という本に納められた「ニュートン力学の形成について」という文章の中で語られている。まとめてみると次のようになるだろうか。


現象論的段階
第一段階:現象の記述(実験結果の記述)
「この段階は現象をもっと深く他の事実と媒介することによって説明するのではなく、ただ現象の知識を集める段階である。」……個別的判断、個別的な事実の記述

実体論的段階
第二段階:現象が起こるべき実体的な構造を知る。この構造の知識によって現象の記述が整理されて法則性を得る。
「ただしこの法則的な知識は一つの事象に他の事象が続いて起こることを記述するのみであって、必然的に一つの事象に他の事象が続いて起こらねばならぬとゆうことにはならない。」……特殊的判断、その法則は実体との対応において実体の属性としての意味を持つ

本質論的段階
第三段階:実態的段階を媒介として本質に迫る。
「諸実体の相互作用の法則の認識であり、この相互作用の下における実体の必然的な運動から現象の法則が媒介し説明しだされる。」……普遍的判断、概念の判断(任意の構造の実体は任意の条件の下にいかなる現象を起こすかということを明らかにする)

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by ksyuumei | 2007-03-12 00:02 | 科学