2007年 01月 14日 ( 1 )

個人の自由を支える国家の権力

『自由とは何か』(佐伯啓思・著、講談社現代新書)という本に大変興味深い記述があった。そこでは3年前のイラク人質事件に関連して、自らの自由意志でイラクに行った彼らの責任が、意志の「自由」というもので論理的に導出できるかと問いかけていた。

佐伯さんは、彼らがたとえ自分の意志で、国家の勧告に反して行ったとしても、どのような事件に巻き込まれようと自業自得で放っておいてもいいのだということにはならないという。近代国家には国民を守るべき責任があるというのだ。彼らがある意味では勝手に行ったのであろうとも、彼らの危機に対して国家はそれを救うのに全力を尽くさなければならない責任があるという。近代国家(民主主義国家ということだろうか)はそうでなければならないということだ。これは僕もそう思う。

これは感情面で同意できるというだけではなく、民主主義というものは、そのような原則を基礎にしなければ国家の安定が得られないのではないかと思うので論理的にもそうでなければならないと思う。もし国家が、守るべき国民と見捨てる国民を差別するようになったらどうなるだろうか。それは、国家を支える国民と、国家を支える必要のない国民を分けることになる。すべての国民が国家を支えるということではなくなる。これは民主主義というものの否定にならないだろうか。

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by ksyuumei | 2007-01-14 23:25 | 雑文