2007年 01月 07日 ( 1 )

組織のタコツボ化の問題とイメージの一人歩きの問題

丸山真男の『日本の思想』(岩波新書)には「思想のあり方について」という文章がある。これも講演記録を起こしたような文章で、平易な語り口で書かれたものだ。そこでは最後に、当エントリーの表題に書かれたような「二つの問題に焦点を置いてお話をした」と語られている。この二つの問題の語り方からも、僕は丸山真男の一流性を感じ取ることが出来る。

丸山は、この文章をイメージの問題からまず語り始めている。それは、人間の思考が実像よりもイメージを基に展開されているという指摘から始まる。これは思考というものの本質を捉えたものではないかと感じる。実像を直接捉えるものは感覚と呼ばれているものだと思うが、この感覚が行動に直結するのが、刺激を反応に短絡させる動物的な判断ではないかと思う。それに対して、感覚をいったんイメージとして蓄積し、そのイメージを加工してそこから論理的な結論を引き出すのが、人間的な判断の仕方ではないかと思われる。

丸山は、イメージというものは「人間が自分の環境に対して適応するために作る潤滑油の一種だろう」と言っている。人間は環境を受け取るだけではなく、そこに働きかけて利用することが出来る。そこに思考という働きかけがあるのだが、その思考の基になるのがイメージであり、それは「他の人間あるいは非人格的な組織の動き方に対する我々の期待と予測」につながっていく。「期待と予測」は感覚から直接もたらされることはなく、思考を経て論理的な帰結としてもたらされる。

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by ksyuumei | 2007-01-07 12:15 | 雑文