2007年 01月 05日 ( 1 )

発想法と科学

三浦つとむさんに『弁証法はどういう科学か』(講談社現代新書)という本がある。三浦さんは弁証法を「科学」と捉えていたのだが、これを板倉さんは批判していた。板倉さんの定義では弁証法は「科学」ではないからだ。

板倉さんは、最初はこの表題を比喩的な表現だと思っていたようだ。弁証法は「科学」ではないが、「科学」の持つ真理性を、嘘やデタラメではないことと言うような比喩的な意味で受け取って、弁証法も嘘やデタラメではなく真理を語っているのだという意味でこの表題がつけられていると思っていたようだ。

しかし、後によくよく考えてみると、三浦さんは本当に弁証法が「科学」だと思っていたようにも感じていたようだ。これは「科学」というものの定義が違い、「仮説実験の論理」によって検証されたもののみを「科学」と呼んだ板倉さんとは判断が違ったようだ。三浦さんは、社会科学は基本的に「仮説実験の論理」には馴染まないと感じていたのかも知れない。だから、よくよく考えて論理的な齟齬を起こさなければ、それは真理として通用すると思ったのかも知れない。そのような真理を「科学」の中にも入れていたのではないかと感じる。

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by ksyuumei | 2007-01-05 10:05 | 科学