2006年 12月 18日 ( 1 )

「裁判」「国会討論」「学説の対立」は「論争」か?--現実の「正しさ」は力関係で決まる

仲正昌樹さんは『ネット時代の反論述』という本の中で、裁判について次のように語っている。


「判決文は、“正しい答え”があるかのように書かれますが、実は裁判官も弁護士も、本当の意味で「正しい答え」があるなんて信じてはいません。正義感に燃えて裁判所に出かける人は、社会正義を司法が実現してくれると思い込みがちです。しかし、そんなとき弁護士が、「いや、そういうものじゃない。法の正義というのは、本当は社会的な力関係で決まるんだけど、一応のルールがあるので、その範囲内で、自分の主張を通すんだ」というような言い方で本音を語ったら、きっと驚くのではないでしょうか。プロの法律家なら、裁判における真理としての「正義 Justice」は、その時の力関係や社会通念で決まってくるものであるということを知っています。ただ、最初から力関係だけで、「答え」を落ち着かせるのではあまりにもまずいので、ある程度のルールを決めておくだけなのです。」


これが裁判の実態なのだと言われると、何か釈然としない気分を抱く人もいるだろうが、国を訴えて最高裁まで争った裁判がほとんど国側の勝利に終わるという現実を見ると、仲正さんの指摘が正しいと思えてくるだろう。

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by ksyuumei | 2006-12-18 09:55 | 論理