2006年 09月 12日 ( 1 )

陰謀論の誘惑

ユダヤ人に対する偏見の中で、世界的な規模で陰謀を進めているという「ユダヤ人陰謀論」というものがある。これはその内容を詳細に検討すれば、荒唐無稽なデタラメであることがわかることが多い。だから、陰謀論というのは多くの場合、根拠のない妄想だと言われることが多いのではないかと思う。

陰謀論そのものの根拠は妄想に違いないと思うが、それが現実に生まれて来るというのは、現実性を帯びていることでの論理的整合性がどこかにあるはずだ。つまり、陰謀論という「論」には根拠がないが、それを信じてしまう人が信じたいと思うような心理的な側面には、それが生まれてくる根拠が見出せると思う。

一つの根拠は不安というものがあるだろう。不安を抱いている人間は、何が原因で不安が生まれてくるのかが正確にはわからない。それが正確にわかってしまえば不安という状態は消える。不安であるのは、何かわからないが自分にとって悪いことが起きているという感じだけはあるという状態だ。

その悪いことが起きているのが誰かのせいに出来れば、不安はその時点で一応の解消をする。人々の不安がもっとも高まったときに、デタラメな根拠であっても陰謀論が人々を捉えるという現象が起こるのではないだろうか。

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by ksyuumei | 2006-09-12 10:14 | 雑文