2006年 09月 06日 ( 1 )

「話」が通じるための条件

仲正昌樹さんは、『なぜ「話」は通じないか』という著書で、「話」が通じない例をいくつか書いている。それはたいていは論点がずれているということで理解されるのだが、なぜ論点がずれるかといえば、双方が相手の「話」をよく理解していないことに原因がある。相手の「話」を自分の解釈で理解し、その解釈に対して論点を設定するので、それはお互いに合意が得られていない前提の下に対話をすることになる。

仲正さんはコミュニケージョンの前提として、「相手の話をまず理解すること、少なくとも、理解しようと努力すること」を挙げている。これは、細部に渡って完全な理解をしろということではなく、「相手の話の流れを全体的に理解するということ」と説明している。

細部がわからないと全体が分からないと思っている人がいるかもしれないが、これは状況によるだろう。例えば、方程式の解き方について、そのアルゴリズムの細部に渡って理解がされていなくても、方程式の全体像を理解することは出来る。それは、未知なる定数を、それが等しいという均衡する性質に注目することによって計算しようとするものだ。この抽象だけでは、方程式を理解したとは言えないが、少なくともそこでは何が議論されるかという方向をつかむことは出来る。これが全体的に理解することだろうと思う。

More
[PR]
by ksyuumei | 2006-09-06 09:48 | 雑文