2006年 08月 25日 ( 1 )

文章の易しさと難しさ

学生の頃ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』を読んで、これほど難しい本はないと思った。書いてあることがさっぱり分からないという感覚を持ったものだった。年をとって、野矢茂樹さんを通じてこれを学び直したら、ようやくその文章が分かりかけてきた。なぜ分かってきたのかというのを自分なりに考えてみたいと思った。

ウィトゲンシュタインは、冒頭の文章で

「1 世界は成立している事柄の総体である。」

という文章を書いている。この文章を文法的に理解することは可能だ。つまり、言葉の形式としての枠組みを理解することは出来る。だが、この文章でウィトゲンシュタインが本当は何を言いたかったかという「内容」を理解することは難しい。文章における易しさと難しさは、その「内容」を受け取ることの易しさと難しさに関わっているように僕は感じる。

More
[PR]
by ksyuumei | 2006-08-25 09:49 | 雑文