2006年 08月 12日 ( 1 )

「思考言語」という言い方について

「思考言語」という言葉を初めて聞いたのは、養護学校で障害児教育に携わっていたときだった。障害児の中には、言語を話す機能に障害があるため、表出される言語はないものの、こちらが話す言語はよく理解し、文字盤などを使って何らかの表現を引き出すことが出来る子どもたちがいた。

文字盤というのは、ひらがなの50音を書いたもので、どのひらがなを表現したいのかを一つずつ聞いていって、イエスかノーの表現をあらかじめ決めておいて、そのやりとりによって対話を行うものだ。文字盤を使った対話は、音声としては現れないが、表現としては外に出てくるので「言語」と呼ぶにふさわしいものになっていると思う。

このような対話が出来る子どもたちは、たとえ音声としての言語表現がなくても、言語の理解をしていることは分かるし、表現をしていないときでも表現の手前までの思考が頭の中で行われていることが分かる。この言語表現のための思考活動に使われる言語を「思考言語」と呼んでいるように僕は感じた。

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by ksyuumei | 2006-08-12 10:14 | 言語