2006年 08月 10日 ( 1 )

否定の論理構造

野矢茂樹さんの『『論理哲学論考』を読む』という本の中の「否定詞は名ではない」という言葉が気にかかっている。「名」というのはウィトゲンシュタインの哲学において特別な意味を持っている用語なので、これの意味を正しく理解するのがまた難しいのだが、名詞と同義ではない。

もし「否定詞は名詞ではない」と言うことなら、これはごく当たり前のことを語っているものとして受け取れる。否定詞は名詞と違う機能を受け持つ言葉であり、違う品詞として分類されることに整合性がある。「名」というものは名詞だけを指すのではなく、もっと広い範囲の言葉を指すものだと思われるので、その範疇に否定詞が入っていないと言う判断が気にかかっている。

「名」というものを自分なりに解釈してみると次のようなものだと思われる。ウィトゲンシュタインにとって世界とは事実の総体だった。そして事実とは言語によって表現される事柄だった。これを命題と呼んでもいいように受け取れる。この命題を構成する要素としての言葉がすべて「名」と呼ばれているように感じる。野矢さんの説明では次のようになる。

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by ksyuumei | 2006-08-10 10:53 | 論理