2006年 04月 24日 ( 1 )

原理原則的な考え方と、現実を素直に受け入れる考え方

板倉聖宣さんが『科学はどのようにつくられてきたか』(仮説社)という本でアリストテレスと原子論者たちを語った章はとても興味深かった。そこではアリストテレスの偉大さを強調しているのだが、アリストテレスの世界観というのは、現状をあるがままに肯定して解釈するという保守的なものであることも指摘していた。

現在の状態をそのまま解釈するというのは、ある意味で非科学的な態度になる。科学は、現実に存在する対象に対して、法則的に成り立つ属性を研究する。それは、対象の現象を解釈するのではなく、任意の対象に対してこのような法則が成り立つはずだという原則的な思考で臨むのでなければならない。

科学の真理性に高い価値評価を置き、「バカの一つ覚え」という比喩で、どこまでもその真理を押し通す科学の素晴らしさを板倉さんは強調している。たとえ現実がその真理に反するように見えても、真理の方を堅持して現実の解釈を変えようとする。アリストテレスは、それに対して、現実の方がどのような現象を見せようとも、「現実は元々そうなのだ」という発想でそれを受け入れようとする。

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by ksyuumei | 2006-04-24 09:42 | 雑文