2006年 04月 10日 ( 1 )

仮説が科学になるとき

科学はすべて仮説に過ぎないという言説はいつでも再生産されるもののように感じるが、これは、科学における真理と形式論理における真理を混同しているために起こる誤解ではないかと僕は感じていた。つまり、科学の何たるかを知らない哲学者が、真理といえば形式論理的な真理しか認めない発想を持ち、そのために、形式論理的な真理ではない科学の真理を仮説だと思い込んでいるのではないかと思っていた。

科学は仮説と区別されなければならない。仮説は実験によって検証されることを経て科学という真理になる。科学と仮説を一緒くたにする発想は、実験による検証を経たものと、単なる思いつきによるものとを一緒くたにする。

形式論理的な真理というのは、一度真理であることが確定すれば、それは決して誤謬には転化しない。真理はどこまでも真理であるし、誤謬はどこまでも誤謬だ。真理と誤謬が両立することがない。形式論理は矛盾を許さない論理だ。このような真理が、現実を対象にする科学にも成立すると考えるのは、抽象というものに対する無理解であり、現実の弁証法性を無視する考え方だ。

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by ksyuumei | 2006-04-10 23:50 | 科学