マル激の議論を論理的に理解してみる

2週間前にマル激で配信された『拒否出来ない日本』の著者・関岡英之氏を迎えての議論が気になって、もう10数回繰り返して聞いている。論理トレーニングの応用問題として、ここで展開されている議論の分析というものをしてみようかと思う。まずは、議論されている事柄を拾い出して、その構造を分析し、主題となる主張を中心に議論の構造というものを理解していこうかと思う。

議論のテーマを箇条書きにすると、次のようなものではないかと思われる。

1) 建築基準法問題
   どういう勢力が、どういう動機で動いて、何が行われたのか。
   日本の制度改革が、アメリカの仕組みをそのまま持ってきているようになっているのが、実は失敗ではないのか。
   利権を巡る勢力争いにおいて、アメリカの力を借りることが有利な背景がある。そのため、正当性を巡る争いではなく、たとえ不当であっても利権さえ手に入ればいいという方向へと改革が流れている。建築基準法で言えば、建築として正しいかどうかよりも、基準さえクリアしていれば何でもいいという方向になっている。




2) 『拒否出来ない日本』のテーマ
   日本の改革の方向が、よく調べてみれば、すべてアメリカの意向に沿う形で行われている。
   日本で国内問題として論じられていることが、実はすでにアメリカから要求されていたことにつながっている。これは内政干渉ではないか。

3) 年次改革要望書の問題
   小泉内閣の基本方針と要望との一致。
   アメリカによる竹中大臣への高い評価。
   郵政民営化の要望とその達成への高い評価。
   小泉さんの持論とアメリカの要求との合致、それに伴う小泉さんの権勢の拡大。
   郵政民営化批判議員の年次改革要望書批判とのつながり。民営化反対が改革反対のマイナスイメージだったために、年次改革要望書の批判がまったく知られることがなかった。
   専門家・国会議員でさえもよく知らない年次改革要望書。
   年次改革要望書を報道しないマスコミの問題。

4) 二流問題
   アカデミック・ハイラーキーにおける二流の人間の行動
   一流の人間への嫉妬・権力と結びついた権勢
   それらの行為の動機はどこにあるか(顕在的動機・潜在的動機)
   簑田胸喜問題

5) 経済学の真理性
   経済学は科学的真理を追究するものであるか。
   経済学は、現実にはその結論が政治的に利用されるイデオロギーである。

6) アメリカへの奉仕・追随
   あからさまにアメリカへ追随するつもりがなくても、結果的にアメリカに有利な行為をすることになる日本人。
   アメリカが提唱するグローバル・スタンダードは、本当にスタンダードなのか。
   正しいものへの奉仕ならそれはケツ舐めの追随ではなくなるか。

7) ルール主義・談合主義
   アメリカのスタンダードは、原則としてのルールを決めておき、それは厳格に守るが、それを守っていればあとは自由。
   談合主義は、協定によって自由が制限されてはいるが、それによって守られるものがある。つまりセーフティネットが作られる。
   ルール主義は優勝劣敗のネオリベになりやすく、談合主義は腐敗した利権構造が出来やすい。
   持たざるものの夢の実現にはルール主義が有利。一旗あげようとする人間は、アメリカンドリームを目指す。
   コーポラティズム(談合)の恩恵(それが腐敗する要因は何か)

8) 共同体の解体と日本の空洞化
   アメリカのルール主義の浸透によって、共同体的な温情主義が消えていったことの影響。
   民衆の覚悟が出来ていないところでの、ルール主義の自己責任論。
   東京裁判史観の流れ(日本だけが悪いという思考のつながり、東京裁判→日米構造障壁協議)、日本の制度はすべて不正だという考え。

9) 愛国の問題
   国益の問題と、心情的国粋主義の問題
   『諸君』『正論』的言論状況(二流問題と関係して)
   靖国や天皇の問題は分かりやすいが、日米構造協議の問題は分析を必要とする難しい問題なので、それを理解する土壌がなければ真の国益の問題を語ることが出来ない。

10) メディアの問題
   その利益構造と報道の内容の問題(報道されないものは何か)


とりあえずはメモだけをアップしておこう。これらを細かく分析して、全体の主張の柱と、その議論の展開を構造的に理解してみたいと思う。
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by ksyuumei | 2006-03-18 15:24 | 論理


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